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新型コロナワクチン接種後の職員を対象とした健康観察について(速報)
2021年5月12日
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
国立国際医療研究センター(NCGM)では、新型コロナウイルスに対するワクチンを当センターで接種した職員および関係者を対象に、第1回接種日から第2回接種29日目までの期間、健康観察を実施しています。ワクチン接種に伴う症状などが日常生活や就業に及ぼす影響を把握し、労務管理上の資料とすることを目的に、以下に示す2つの方法で、接種後の健康状態の情報を収集しました。
- 印刷版:接種1日目から接種8日目まで毎日の症状と、接種21日目(第2回接種では接種29日目)までに経験した重篤な症状や傷病について記録用紙に記入するもの
- ウェブ版:接種4日目、接種8日目、接種21日目(第2回接種では接種29日目)にウェブ上の回答フォームから症状を報告するもの(戸山地区職員のみ)
この度、ウェブ版の健康観察の結果を速報として取りまとめました。国民の皆様を対象としたワクチン接種がこれから本格化していく中、NCGMの経験を参考にしていただければ幸いです。
NCGMにおけるワクチン接種および健康観察の概要
ワクチンの種類
ファイザー社 コミナティ筋注
ウェブ健康観察の回答率
- 第1回接種
接種4日目フォーム 84.2%(=1484/1762)
接種8日目フォーム 74.3%(=1310/1762) - 第2回接種
接種4日目フォーム 82.9%(=1331/1605)
接種8日目フォーム 68.1%(=1094/1605)
集計内容
- 発赤および腫れ:最大径が2.1cm以上だった者の割合を報告。
- 発熱:37.5度以上の発熱者の割合を報告。
- 接種部位の痛み・めまい・倦怠感・頭痛・悪寒・吐き気・下痢・筋肉痛・関節痛:日常生活への影響の大きさをふまえて「症状なし」「日常生活に支障がない」「日常生活にある程度支障がある」「日常生活にかなり支障がある」の4件法で質問。本速報では、日常生活に「ある程度」「かなり」支障があったと回答した人の割合を報告。
- 仕事を休んだ日数
速報結果の概要
- 第1回接種後に比べて第2回接種後に、日常生活に支障のある症状が多く報告されました(添付PDF P.2)。
- 第1回接種後に報告が多かった症状は、接種部位の痛み(39.8%)、筋肉痛(15.2%)、倦怠感(7.6%)でした。
- 第2回接種後に報告が特に増えた症状は、発熱(2.4%→36.2%)、倦怠感(7.6%→52.0%)、頭痛(5.5%→34.8%)、悪寒(1.1%→29.5%)、関節痛(1.7%→25.7%)です。
- 第1回接種後、第2回接種後ともに、接種4日目までに症状はほとんど消失していました(P.3)。
- 第1回接種後と第2回接種後の症状の程度を個人レベルで比較すると、約半数が第2回接種後により強い症状を経験していました(P.4)。
- 性・年齢別にみると、第1回接種後、第2回接種後ともに、男性より女性のほうが、また若い年齢層のほうが、日常生活に支障のある症状が多い傾向でした(P.5)。
- 第1回接種後には症状のため仕事を休んだ職員はほとんどいませんが、第2回接種後は回答者の15%以上が半日以上、仕事を休んでいました(P.6)。
- 接種日翌日(接種2日目)に症状を呈する職員が多いことが知られているため、接種日翌日が休日でない、水・木曜日に接種した回答者に絞って集計すると、半日以上仕事を休んだ回答者の割合は第1回接種後では1.4%であったのに対し、第2回接種後は23.8%に上昇していました。
国立国際医療研究センター(NCGM)における新型コロナワクチン接種後のウェブ健康観察の速報(PDF)は、こちらをクリックしてください。